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  • 執筆者の写真株式会社あわえ

【特別対談】初代地方創生担当大臣と語る|地方創生の現在地


左)初代地方創生担当大臣 衆議院議員 石破 茂 様、右)弊社代表 吉田

地方創生や地域づくりにおいて無数の手段が錯綜する中、特定の商品や特定の事業者・自治体のためだけではなく、社会にとって役立つ情報を社会提言すべく、政治や教育など様々なお立場の方との対談をお届けします。

初回は、初代地方創生担当大臣 衆議院議員の石破 茂 様との対談です。地方創生がスタートした2014年から8年、各地で成功事例も出てくる一方、地方の地域間格差も出てきています。いい話がある一方で、まだまだ厳しい現実もある現状、初代地方創生担当大臣として当初思い描かれていたこととのギャップなどをお聞きし、これからの取り組みのヒントを見つけたいと思います。

地方創生の現在地


三大都市圏からの転入超過回数(参照:国土交通省発行「移住等に関する定量分析」より)

吉田「当初思い描かれていた地方創生と、現在のギャップをどのようにお考えですか。」

石破 様「うまくいっているところはうまくいっている。差ができることは最初から予想していましたが、成功事例がもう少し面的に広がるといいな、と思っています。地方創生事業を始めるときから、国が何か画一的なものや仕組みをつくって広めるのではなく、何をやりたいのかは自分たちのまちで考えて決めてもらう、という原則は決めていました。美波町なら美波町にとって何が一番いいのか、というのは自分たちで検討してもらう。その計画を後押しするために、『お金・情報・人材』をそれぞれ用意して、自治体を目一杯支援する、という設計でした。だから、よし、やろう!と自分たちで考えて取り組んだところはだいたいうまくいきましたし、『なんだ自分たちで考えるのか、めんどくさいな…今までみたいな補助金がいいな…』というようなところは飛躍はできなかったと思います。やはり自分たちのまちについて、何を伸ばしたらいいのか、なにを目標とするのか、例えば出生率を上げるには、収入を増やすには、転入人口を増やすには、と真剣に考え抜いた市町村は成功したと思います。起こるべくして生まれた差ですね。」

吉田「スタートの段階で、ある程度差が出る前提だったということですね。地域づくりに関わる人たちの、やる気と知恵にかかっていたというところでしょうか。現在はコロナの影響も受けて、地方でのテレワークやワーケーションも盛んになってきています。そのような外的要因で地方創生が進んでいる側面もある一方、石破さんが仰るように、もっと能動的・自発的に知恵が出てくることが大切ですよね。基礎自治体職員の頭数なのか、知恵の部分なのか、いずれにしろ基礎体力的な底上げをもっと図らないと、自ら施策を考え、その地域らしいやり方を考えっていうのは出てこないのではないかと感じるのですが、石破さん、いかがでしょう。」

石破 様「行政はやりっぱなし、民間は頼りっぱなし、住民は全然無関心、このようなダメな三位一体となると、絶対失敗しますよね。地方創生の事業を開始した時には、やはり反発もありました。『うちには金がない、人材がいない、情報がない』と、できない理由をたくさん挙げてくる自治体も結構ありました。ですから、「お金・人材・情報」について新しいスキームで支援することにしました。お金は地方創生交付金として手当てしました。人材については、中央官庁のいろいろな経験のある、『自分はこのまちに行きたい!』という意欲を持った公務員や、地域の活性化に知見のある関係企業や大学の研究者などに声がけをして、自治体とのマッチングをしました。受け入れる自治体には、『中央省庁に顔の利く役人』というような短期的な考え方ではなくて、その地域のほんとうのニーズに合った人材を考えていただくようお願いしました。情報については、RESAS(*地域経済分析システム)という新しいシステムを構築して、その地域における人の流れや経済的な動向など、さまざまな傾向がわかるサイトを作り、誰でも見られるようにしました。自治体側からは、そうは言っても何から着手したらいいかわからないという声もありました。それなら、役所だけで考えるのではなく、例えば商工会、商工会議所、JA、漁協、建設業界、地域のあらゆる民間の人たちと一緒に考えてください、と申し上げました。民間企業・団体だけではありません。「産官学金労言」と言ったんですが、産は地域経済界の皆様として、官は役場、学は教員や学生。いやうちは大学ないし…っていうとこもあったけど、いいじゃないですか、中学生や高校生が、若いうちからまちづくりに関わって、うちのまちってこんな素敵だって思うのは大事ですよね。金は金融機関で、信用金庫、地方銀行、地域のビジネスの実態をよくご存じのはずです。労は労働組合、そして言は地元の新聞、地元のテレビ、地元のラジオ。みんなでやるのに人が足りないということがありますか?って。それで『うーんやってみようか』って考えながら取り組んだところと、大喜利みたいに1回だけみんなで集まってみました、というところでは差が出るじゃありませんか。そういうものだと思いますよ。」

地域差の真因とは

吉田「ずばり、初代地方創生担当大臣として、当時夢見たことイメージしたこと、これは非常に乱暴な質問になると思うのですが、現状切り取ると、当時の夢、イメージに比べて何合目、もしくは何パーセントくらいでしょうか。」

石破 様「30%くらいじゃないかなあ。最近、地方創生っていう言葉をあんまり聞かなくなったような気がするんです。スタートして数年の間は、『これからは地方創生だ!』っていう、中央と地方が一体になってやろう、みたいな熱気がありました。今は、各地域が一生懸命頑張っているけど、東京のほうの熱気が冷めているような気もします。地方のもつ可能性を最大限に伸ばしていかないと、この国持たないよっていう危機感、地方の側の使命感みたいなものをもう1回奮い立たせることは必要ですね。」

吉田「30%ですか、なるほど。地域づくりに関わる立場として、耳が痛い半面、身の引き締まる思いです。しかし、裏を返せば、まだまだやれる可能性がある、やれることがあるということですよね。」

石破 様「そうなんです。地方の伸びしろはまだ圧倒的なものがありますよね。農林水産大臣や副大臣を拝命していた時に学んだことなんですが、日本ほど農業・漁業・林業に向いている国は、世界でも珍しいんです。農業は土と光と水と温度の産業で、日本はこれらが全部揃っている。そして経済水域の広さは世界第6位、日本の周りの海は深いから海水の体積で言えば、日本は世界で第4位。日本の森林率は世界3位。単純に面積だけで3位で、かなり密度が濃く植わっているから、蓄積量で言うと世界1位のはずです。これだけ恵まれた条件にあるのに、いままで農業・漁業・林業はそんなに頑張んなくていいよ、機械化して労働力に余裕ができたら公共事業頑張ってね、誘致企業で働いてねって、そういう産業構造だったんです。つまり、農業・漁業・林業そのものには、凄まじい可能性があるってことだと思います。地方の産業の主体である農業・漁業・林業、それから建設や観光などのサービス業、これらの伸びしろを最大限に発揮してもらって、東京の負担をこれからは地方が解消してやるぜって、そういう逆転の発想こそが、これからの日本を牽引していくと私は信じています。」

吉田「ある面、東京の課題や東京の悩みを、地方が押し付けられるのではなく、俺たちが担ってやるよ、光を届けるよというようなマインドセットが非常に大事ですね。一方で、どちらかというと都市や国や中央が、苦しみにあえぐ地方を救わないといけない、本当に地方にこれ以上道路が必要なのか?みたいな雰囲気がまだ多いなと思うので、ここのギャップを埋めないといけません。地方が本来日本を支えていくにもかかわらず、お荷物になった地方を何とか助けようとしているみたいな見え方を変えていきたいですね。」






石破 様「日本のそういうあり方のほうが特殊だったんだと思うんです。世界を見ても、いわゆる先進国で元気な地方都市はたくさんあるし、首都と地方都市は対立関係にはありません。都市と農村も、それぞれの役割を理解しあって、ともに発展している。それが本来、当たり前のあり方だと私は思います。」

吉田「日本でもそういうことにもっと力を入れる、そういう環境づくりに投資を強化する必要になってくるでしょうね。」

石破 様「大事だと思います。これほどの一極集中は、サステナブルじゃないです。東京一極集中は、少子化の大きな原因でもあるんです。婚姻率、一番結婚する都道府県は東京、でも出生率、一番子どもが生まれないのが東京、実は可処分所得、手元に残るお金が一番少ないのも東京。なのにそこに人がどんどん集まって、これから先、日本の国ってどうなりますか。」

吉田「巨大な縮小再生産がすごいスピードで回っているのが今の、これまでの日本の都市の在り方だったのだろうなと思います。これは地方でも同様で、ベットタウンと昼間働く場所という地方の中での地域差を生み出し、地方の産業が縮小した結果、結局、美波町でも海辺のまちなのに買う魚は大規模流通により流入してきた他県や海外の魚であるように、少しずつ少しずつ地域との接点を地方自身も失いつつあると感じます。お客さんが来た時にも、どこに連れて行けばいいのかわからない、何を食べさせればいいのかわからない、どんなところで遊ばせていいのかもわからないということが起きています。地方の人が地方を知らなかったりするということが、これは教育の問題なのか、もう仕方ない面なのか、ただちょっと残念なこととして、そうなりつつあるなと感じますね。」



石破 様「私は、昭和47年の高校生の時から東京に来ていますけど、夏休みでも冬休みでも春休みでも、友だちに『来てね来てね、鳥取来てね』って一生懸命宣伝していました。その頃は周りにそういう人が多かったですよ。自分の故郷に、来てね来てねっていうそんな感じが昔はあったと思います。今はなんだかそういうのあんまり見なくなりましたよね、希薄になってきているという感じがします。そこに住んでいる人たちが、自分のふるさとを好きじゃなかったら、誰が外から来ますかっていうのは、やっぱりあると思うんです。」



これからの地方創生

吉田「今後の地方創生の取り組みですが、どこを一歩目にして動かしていくべきでしょうか。コロナのように危機が来ないと変われないというわけにもいきません。先生のご出身の地元も含めて、どういう一歩を踏み出すことが大事でしょうか。」

石破 様「コロナ禍は、東京での生活を見つめなおす一つの契機にはなっていると思います。それと多様な生き方、多様な働き方を選べる時代になってきている。そういう中で、東京ではないところで暮らしたい、という希望をどれだけ叶えられるかです。私の地元の鳥取県は、全部合わせても人口55万人もいない。いま、1年に日本の人口は60万人ずつ減っている。鳥取県1つ消えてなくなるような勢いです。でも鳥取県は、よその都道府県から結婚、子育て、出産、転職、明確な目標をもって転入してくる人の数が、日本一になっているんです。企業内の転勤とかではなくて、自分の意思で転入してきてくれる人が増えている。もちろんそれよりももっといっぱい出ていくから、転出超過はまだ是正できていないけど、努力は実りつつあるんですね。転入者は20代30代の子育て世代の人が多い。それは人口当たりの小児科、産婦人科のお医者さんの数がどっちも日本一であることとも関係があります。このように、うちの県にはどうやったら人が来てくれるだろうっていう『売り方』を、地元で一生懸命考えなきゃいけないんです。さっきも少し紹介したんですが、可処分所得、ひと月の収入から、税金引いて社会保険料引いて、食費引いて、電気代ガス代水道代引いて、手元に残る自由に使えるお金って、鳥取県は全国で第8位なんです。東京は全国第47位。つまりそれだけ何かが豊かなんですよね。その豊かさとはなんなのか、どういう人生を送りたい人にマッチするのか、それは自分のところで考えて、磨き上げていくものです。何にもやらないで人来てくれないねって泣いていてもしょうがない。徳島なら徳島、高知なら高知、愛媛なら愛媛、うちの県こんなに素敵だよって、地元の人が売らないでだれが売りますか、ということなんですよ。」

吉田「泣いていても、誰かが売ってくれるものではありませんからね。やはり内発的というか、地域の人やその地域を愛する人が自ら主語になって地域の魅力を伝えていく。子育ての環境や、出産や医療の環境などが基礎体力というか基盤があったうえで、その上にそれぞれの魅力で、いかに人を呼び込めるか、興味を持ってもらえるか、この2階部分をいかに創るかが一歩目でしょうか。」

石破 様「そうだと思います。たとえば、私が地方創生担当大臣を拝命していた頃から、徳島県美波町って有名でしたよね 。」

吉田「そうですね、IT企業の誘致とか、かなり先駆的に取り組んでいました。」

石破 様「そう、そういう先駆的なまちってあるんです。行政だけじゃない。ITを利用して仲居さんの働き方を改革することで良質なサービスを生み出した旅館、単価はとても高いけれど日本一の技術を誇るクリーニング屋さん、地域のお客様のニーズを徹底的に洗い出して運行ルートを抜本的に改革したバス事業者さん、それぞれに、ほら、こうやったらうまくいくでしょって事例は、実はたくさんあるんです。いいじゃないですか真似したって。いいことは真似すればいいんです。うちはどうせできない、なんて最初からあきらめていてはダメですよ。」

吉田「やはり地域への意識・思い、まあひと言でいうと愛ってことだと思いますけど、もう一度その教育機関とかとも連動してやっていく努力が必要でしょうね。単なる経済的政策だけではなくて、子どもたちから地域を向くような仕掛けづくりというのも、地域や行政、それから時には学校も含めてやっていく必要がありそうです。」

石破 様「私も自分の鳥取県の知事にお願いして、鳥取県立高校の入試問題に、鳥取県の偉人とか、どうやったら鳥取県はよくなるかとか、地域にかかわる問題を出してもらうようにしたんです。やっぱり、試験に出ないと勉強しないですよね。」

吉田「それは石破先生でもそうだったのですか。」

石破 様「そう、試験に出ないことは勉強しないもん(笑)。鳥取県の産業構造はどうなっていて、どこに魅力があって、どこに問題点があってっていうのを、中学生からきちんと知っていることは大事です。高校は都会に行きました、大学は都会に行きました、それでも、心の中のどこかに自分の住んでいたところを良くするためにはどうしたらいいか、そういう気持ちがあるのとないのとでは全然違う。そのために経済学でもいい、法律学でも、あるいは林学でもいいけれど、いろいろ学んで、いつか自分のふるさとを良くするんだ、そういう目的があるのとないのとでは大きな差が出ると思います。吉田さんの言葉を借りれば『地元愛』、これはただそこで生まれ育っただけではぐくまれるものじゃないでしょう? 」

吉田「インターネット環境が整って、オンラインゲームなんかをする時間も増えていますしね…そういう意味では、コロナ禍でその地域の活動も抑制せざるを得なかったっていうところもあるのですけど、やはり地域との接点は薄くなってきているようには感じますね。」

石破 様「今は危険だとか責任がどうとかたいへんな時代ですけど、子供の時に海で泳ぐ、川で泳ぐ、山に登る、キャンプする、みたいな経験はすごく大事だと思うんです。昭和30年代から40年代に育った私たちの世代は、夏休みはひと夏海にいて、盆が過ぎるとクラゲが出るから、それからは山に行って、川で泳いでいました。その頃の体験って強烈だし、その後の人生の心のよりどころになると思うんです。」

吉田「染み込みますよね、戻る理由にもなりますし。私は以前、東京主体でビジネスをやっていましたが、6年ほど前に東京生まれの妻と子ども2人を連れて美波町にUターンしました。感じるのは、今地方の親が、子どもに野遊びを教えられなくなっている。むしろ都市部の方が野遊びを教える塾があったり、そういうカリキュラムがあったりして教えてくれる人がいる。私なんかはほんとに自然で遊ぶことが好きだったので、いつかは徳島に帰ろうという地域愛が刻み込まれていました。今地方の現場で、ほんとにその野遊びの楽しさ、自然の楽しさを教えられる大人が減っているように思います。むしろ都会にいる方がそういうチャンス、これは経済的に豊かな人しか得られないという弊害もあるとは思いますが、都市部の方に教えられる人がいて、地方には野遊びを教えられる人がいない。これは地方の強みをまた消していっている、ということも生まれつつあるなと最近感じています。」

石破 様「私は国会議員になって今年で36年になりますが、初当選した当初から、ドイツのグリーンツーリズムを日本でやりたいなとずっと思っています。グリーンツーリズムとは何だろうって、ずいぶん勉強もしました。都会の子が地方で10日間とか2週間とか過ごす、ほとんど自己負担なく、国や自治体が支援するんです。それは地方の体験、田舎の暮らしを経験することが大事だとわかっているからなんです。そもそも長期のバカンスが制度化しているということもありますが、そういう時に外国にばかり行ってはだめだ、ドイツ国内の農村、山村、漁村の暮らしを体験することはドイツ国民として大事なことだと。先ほども少し触れましたが、例えばパリに一極集中とか、ベルリン一極集中とか、ローマ一極集中ってないんですよ。やはり、幼少期の自然体験も重要なんだと思います。」



吉田「ある面国防みたいな観点においても、一極集中は危険ですよね。例えば離島を含めた、地方に人がいるということの重要性、これは必ずしも活性化というだけではなくて、やはりそこに人が住まうというのは日本の国防とかにも影響してくる問題ではないかと。一方で、過疎化が進むとかコンパクトシティ化みたいなこともある中で、昨今の国際情勢も踏まえて、やはり日本のへき地といわれるようなところにいかに人が暮らしていくか、石破さんのお考えお聞かせください。」

石破 様「日本の人口は、もうすぐ1年に100万人減る時代に入ります。団塊の世代は、今の3倍生まれていたわけで、その方々がこの世からリタイアする、そういう時代が必ず来るわけです。それが1年に100万人減る時代。今のまま行くと、あと80年で日本人は今の半分になってしまいます。それでおっしゃるように、安全保障・防衛の観点から言ったときに、人が全然いません、という場所が増えていくと、侵攻の足がかりを作ってしまうかもしれない。ましてやそういうところに原発があります、基地があります。ということになってくると、国家全体が脆弱になりかねない。だから国防上の観点から言っても、人口過密なところと人口過疎なところと、これが両極端になっている国は、別の意味での脆弱性を抱えてしまいますよね。」

吉田「地方創生と国の国防との距離の在り方も、国民がもっと意識できるようにしていかなくてはなりませんね。」

石破 様「政府全体としても、地方がきちんと活性化していくことが日本経済の牽引役となること、さらにそれが国防上も、防災の面でも大事だっていうことを明確に発信して、そういった施策が内閣の中心テーマなんだ、ということにしていかないといけませんね。」

吉田「そういった当事者たる地方が、徳島も参議院で合区が生まれ、数は減るみたいなことが起こっていて、それではなかなか何をベースに議席の在り方とかっていうのは常に議論のあるところでしょうけど、地方の声が世の中の声になりにくくなっていますかね。」

石破 様「そうだと思います。数が減るのだったら、声を大きくするしかないですね。」

ラーメンと地方創生


東京と徳島県美波町の二地域でラーメン店を経営

吉田「話は変わりまして、美波町に数年前にできたラーメン屋さんのお話です。この藍庵、徳島県といえば藍染めですのでその藍をとって藍庵といいますが、もともと東京の板橋区で人気のお店として経営されていました。現在は東京のお店と新たに徳島県美波町のお店として、チェーン店ではなく個人店で、二地域でラーメン屋を経営しています。徳島のお店は徳島の食材、地鶏であったり海産物であったり、徳島の食材にこだわったお店です。石破さんの時にスタートした、サテライトオフィスならぬ、サテライトラーメンと呼ばれたりしています。必ずしもIT業ではなくとも他地域で、ビジネス、生業ができる面白い事例も増えてきている、ということでご紹介でした。石破さんのラーメン文化振興議員連盟設立もお伺いしております。ラーメンに代表される日本の食が、そこが地域や地方創生に果たしていく後ろ支えになるからこそ、そういった活動をスタートされたと理解してもよろしいでしょうか。」

石破 様「これ、食べに行きたいね~(笑顔)。」

吉田「もうぜひとも。東京もありますし、徳島のお店も。オーナーは毎月行ったり来たりしています。地域で雇用したスタッフさんに日常の店舗運営はお任せして、新メニュー開発や業者さんとの交渉などはオーナーが。ラーメン屋もサテライトでできる時代です。また店舗があるのがちょうど薬王寺のある門前町でして、薬膳ラーメンなどその地域ならではのメニュー開発もされています。」

石破 様「なるほどね、薬膳ラーメンというのがあったのか。ラーメンは、基本体育会系の食べ物って言われてるんですよ。10杯食べたーとか、全国のご当地ラーメン制覇したー!とかね。そういう意味でも、薬膳ラーメンって新鮮ですね。このラーメン食べに、飛行機代を使っても、電車代を使っても行ってみたいっていう人、いっぱいいると思いますよ。このお店も、古民家を改装したような感じで魅力的です。メニューはラーメン以外ないんですよね?餃子もない、チャーハンもない、この一杯のラーメンを食べるためにいくぞーという、それが高い付加価値ということだと思います。実は日本中、ラーメン屋さんがない町ってあんまりないんです。そういう中で、ご当地ラーメンというのは、地元の麺とか醤油とか、だしとか卵とか、ここにしかないよねっていうものを使って作ってもらいたい。ラーメンは、どんなに高くても2000円いかない、だからだれでもアクセスできる。それでいて、その土地の文化とか歴史とかが背景にあって、それがお客様のおかげで洗練され凝縮されていく。だから地方のラーメンは、地方の発展の1つの材料になるだろうなと思って、こんな議連つくってみようって同志と語らって始まりました。」



吉田「実際このお店ができてから、週末となると県外、関西からツーリングで、この店に人が集まってきて、観光の目的地になっています。見方によると一飲食店ですが、同時に観光の拠点になりうるのではないかと。ラーメン屋さんや飲食店の持つ、地域を元気にする効果性の高さって非常に大きいなと思っています。石破さんの仰った通り、地域の食材がメニューに変わる晴れの舞台にもなりますし、こういう事例が飲食でも二地域拠点、多地域拠点ができる、チェーン店である必要がない、こういう事例が全国にも広がっていくと面白いのではないかと。」

石破 様「美波町に行って、藍庵ラーメンおいしかったよって評判はあっという間に広がるはずですよね。まずかったら、まずかったよっていう評判もあっという間に伝わるわけで、絶対手は抜けないですよね。」

吉田「ある面、地域の顔になっていますしね。注目いただいた薬膳っていうのも、美波町に四国八十八ヶ所の二十三番札所がありまして、そこが医学・薬の薬師如来由来のお寺ですので、そこにちなんだ薬王寺のある町に薬膳のラーメンがあって…そこがまずいとお話にもならない。そこで真剣勝負していただいているっていうことだろうと思います。」

石破 様「これ食べに行きたい!って、ラーメン好きはそういうところありますもんね。何が何でもあのカレー食べに行きたいって人はあんまりいなくて、それがラーメンは体育会系、カレーは文科系と言われる所以なんですけどね。」

吉田「中毒性というか、人を動かすっていうところで、ラーメンには絶大な力がありますよね。地方創生では、どうしてもDXを含めて、ITの…っていう文脈が強かったりするのですが、ぜひ石破さんには、地方を本来日本の強みの1つが食であり食材であり、波及効果も含めて食を軸にした地方でのチャレンジが増えるように、力添えをいただければと思っています。石破さんには引き続き、地方ご出身ということも含めて、地方の声を国に大きく届けていただけることを期待しておりますので、是非ともよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。」

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