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執筆者の写真株式会社あわえ

【まちづくり事例】「富谷塾」地方で持続可能な起業塾・コミュニティ創りの新たな手法をフカボリ!


宮城県富谷市で行われている起業塾「富谷塾」は、ただのビジネス塾にあらず。起業塾としての独自のあり方や、地域コミュニティを活性化するその手法は、まさに地方自治体に必要な地域拠点をつくる上での大きなヒントを私たちに与えてくれています。今回はそんな富谷塾の仕組みと内容について、フカボリ!していきたいと思います。

宮城県富谷市にある新しいタイプの起業塾「富谷塾」

「富谷塾」は、富谷市まちづくり産業交流プラザ「TOMI+(とみぷら)」でおこなわれている起業塾で、地域住民が主要メンバーとして活動しています。若生裕俊市長を塾長として2018年にはじまり今年で3期目。「好きなことでビジネスがしたい」「自分のアイデアで地域を元気にしたい」という想いを持った人が富谷市内外から集まり、塾生の累計は160人以上にもなります。


起業塾と言っても、ただ事業を起こすことだけが目的ではなく、塾生一人ひとりの想いをベースに、様々な角度からの、やりたいこと支援・やってみたいこと支援を行っています。


あわえ所属の「TOMI+」コミュニティコンシェルジュが常駐しているので、起業のきっかけづくりやアイデアを具現化するためのサポート、起業後のアフターケアなど、塾生のニーズにあったきめ細かいサポートが受けられることも魅力の一つです。

持続可能な地域の起業塾

富谷塾の特色は、塾生の裾野の広さ。すぐに起業したい人だけでなく、具体的なアイデアはまだないけれど何かしたいと思っている人や、仲間が欲しい人、富谷のことが大好きな人などを、幅広く塾生として受け入れています。その結果、塾生や活動が枯渇しない持続可能な起業塾を実現しています。

富谷塾の塾生【3タイプ】

1、「起業候補者」

2、「やりたいことが明確でスキルアップを目指す人」

3、「やりたいことが不明確だがコミュニティを求めている人」



従来の起業塾では、地域内にそれほど多くない起業候補者を毎年募集するので、参加者が先細りしやすく持続的な起業創出ができません。一方で富谷塾は、様々なニーズを持った人を幅広く受け入れるので、将来的な起業候補者の育成や裾野の広がりにつながり、息の長い活動が続けられています。


塾生を一括りにしないので、スキルやニーズに合わせたサポートや細かいコミュニケーションをとることができ、塾生が目標に向かってしっかり進んでいける環境が整えられています。


【富谷塾の対象者】

・富谷が大好きな人

・自分のアイデアで富谷を元気にしたい人

・自分と同じ想いを持つ仲間を増やしたい人

・富谷で起業したい人

・富谷で頑張る人を応援したい人



塾生のニーズに合わせた支援サービス

富谷塾生が受けられるサービスについてタイプ別に紹介していきましょう。

【起業候補者向けサービス】

やりたいことが明確でスキルもある「起業候補者」を対象にした支援は、「実効性」と「二人三脚」がキーワード。ビジネスの専門家から、起業に向けて具体的な支援を受けることができます。


例えば、富谷塾の「起業家育成講座」では、塾生の現況把握からビジネスモデルの構築、資金確保の方法や実務開始までをトータルで学ぶことができます。富谷市と包括連携協定を結ぶ株式会社七十七銀行やあわえなどの外部企業パートナーが協力し、専門的で実効性の高いプログラムを提供しています。


また、富谷塾が活動拠点としている「TOMI+(とみぷら)」には、あわえ所属のコミュニティコンシェルジュが常駐し、塾生の起業相談やイベント実施支援、アイデア出しなど、二人三脚でのサポートを行っています。ハンズオン支援と呼ばれるこのサポートには、あわえをはじめとする外部企業パートナーが参加し、塾生に寄り添った支援を提供しています。


塾生や外部企業パートナー、サテライトオフィス企業など、様々なバックグラウンドを持った人が集う「富谷塾」。そうした人との交流の中で、新しいビジネスの種や事業パートナーを生み出していける点も、富谷塾の大きな強みと言えるでしょう。

【やりたいことが明確でスキルアップをしたい人向けサービス】

「やりたいことはあるけど、スキルが足りない・・・」と思う塾生に、スキルアップ講座やアイデアを形にする場を提供しています。


富谷塾生の約6割が子育て中のママさんであり、起業というよりは、在宅で仕事ができるテレワークをしてみたい!というニーズが多め。そのため、まずは自分で仕事をする力を鍛える「在宅ワーカー育成講座」を開講しています。


外部企業パートナーである株式会社ニットが開講するテレワーク講座は、毎回、大盛況。「在宅で働きたい!」「自分のスキルを伸ばしたい!」と思う多くの塾生が学んでいます。


また、対話会を定期的に開催し、富谷塾生同士が自分の好きなこと、やりたいことなどを共有しています。新たな自分を発見したり、仲間を募ったりする場として機能していて、対話会で出会った仲間とイベントを開催したり、塾生同士の相互発注なども実現しています。

毎週木曜日の夜は、まちの未来や理想の姿をざっくばらんに話し合う「妄想ミーティング」を実施。自分の好きなことをテーマに部活動をつくり、仲間を集めて活動しています。妄想ミーティングから生まれた部活動は、現在約20にもなり、それぞれ部長を中心に個性的な活動をしています。

◉個性豊かな部活動を一部ご紹介

「からだ大学」(元ダイエットビジネス部)では、パーソナルトレーナーのご夫婦が部長となり、健康的に痩せたいと思う人たちのコミュニティを運営。無理なく健康な身体づくりのアドバイスをしています。部員同士がオンラインでコミュニケーションを取れるので、ダイエットを楽しく続けられると好評です。


また、富谷市のお店や暮らしの情報を届ける地域メディア「とみやー」も富谷塾から生まれたもの。富谷の暮らしに必要な様々な情報を発信しています。「とみやー」は先月発表された「TOMI+」に入居するサテライトオフィス企業の実証実験(「Lテイクアウト」)と連動して、町内飲食店のテイクアウト情報も発信中。富谷塾のつながりをいかした活動に注目が高まっています。

その他、部活動の詳細は「TOMI+」HP(部活ページ)をご覧ください!

【コミュニティを求めている人向けのサービス】

富谷塾の大きな特色は、「やりたいことが不明確だがコミュニティを求めている人」も気軽に参加できること。


富谷塾の塾生のうち7割以上が子育て世代であり、富谷市の人口構造をみても同じことが言えます。そこで富谷塾では、「TOMI+」に入居しているサテライトオフィス企業等と共に、こどもたち向けの起業やIT技術を学ぶ場「富谷塾 for kids」を実施。子育て世代の入塾を促し、今後の富谷市を支える人材の育成を目指しています。


また、サテライトオフィス企業と塾生の連携を強化し、より新たなアイデアを生み出す仕組みづくりも進んでいます。「起業塾」として「まちづくり塾」として、塾生の裾野を広げるとともに、多様な人材との素敵な化学反応を狙っています。



富谷塾の強み

富谷塾の特徴やサービス内容についてご紹介してきましたが、富谷塾のユニークさと強みをまとめてみます。

①起業候補者が枯渇しない

②塾生が新たなビジネスや取り組みをする際に総勢160名のファンができる

③実績があり、先輩塾生にも話を聴ける

④塾長(富谷市長)をはじめとした行政の支援が強く、当事者意識も高い

すぐに起業したい人、仲間をつくりたい人、地域貢献がしたい人など、多様な人財が集まる場を提供する。人が集まり交流する中で、ビジネスの種やまちづくりのアイデアを育てていく。アイデアを形にして、運用していく具体的なサポートを行う。

地域や人とのつながり、そして塾生の「好き」や「やってみたい」を大切にしている富谷塾だからこそ、普通の起業塾とはまた違う、独自の強みを生み出せているのです。


富谷塾3期生、 6月13日より開始! 引き続き活動が楽しみ!

地域の起業家とまちおこしを担う人材を同時にはぐくむ「富谷塾」。塾生の真剣な目と、大人も子供も楽しそうに参加されている様子は、まさに今、地方自治体に必要な地域拠点の姿そのものではないでしょうか。


そんな富谷塾、新しい期(3期生)の活動が6月13日からはじまります。引き続き活動の様子をご紹介していきますので、2020年度の富谷塾の活動も楽しみにしてください!


「TOMI+」や富谷塾の取り組みにご興味ある方は、ぜひHPやSNSをチェックしてみてください!

「TOMI+(とみぷら)」HP ⇨ https://tomipura.com/ 「TOMI+(とみぷら)」facebookページ ⇨ https://www.facebook.com/TOMI.plus/

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