新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、オフィスの縮小や地方への移転を考える企業が増える中で、改めてサテライトオフィスへの注目も高まっています。この記事では、地方進出やサテライトオフィス開設を検討する企業の方に向けサテライトオフィスのメリットと成功事例を紹介していきます。
サテライトオフィスとは?
サテライトオフィスとは、企業の本社とは離れた場所にあるオフィスのことです。ICT技術を活用し、場所や時間の制約を受けずに働くことができるので、社員のライフワークバランスに配慮した柔軟な労働(オフィス)環境を整備することができます。また最近では、新規事業開発や人材育成(確保)の拠点としても、サテライトオフィスが活用される事例が増えています。
サテライトオフィスは次の二つに種類分けされ、企業の目的や用途によって進出形態が異なります。
・常駐型:空き家や古民家をリノベーションしてオフィスを構え、スタッフが常駐する。
・循環型:シェアオフィスやコワーキングスペースを利用しながら、都市部と地方を行き来する。
スタッフの働き方やオフィスの使い方によって、サテライトオフィスの形は様々です。サテライトオフィス進出を検討するにあたっては、「どんな働き方をしたいか」「サテライトオフィスによって何を実現(改善)したいか」などを明確にする必要があるでしょう。
サテライトオフィスを開設した企業の業種
全国にサテライトオフィスを開設した企業を業種別に見ると、IT関連企業が全体の5割以上を占めていて、仕事の性質上、リモートワークがしやすい業種・業態の企業のサテライトオフィス進出が目立っています。IT関連企業以外には、マスコミや通信などの情報系企業やサービス・インフラ系の企業も、比較的多くなっています。
これまでは、いわゆる「インターネットがあればどこでも働けるイメージ」の企業が、サテライトオフィス進出の中心でしたが、昨今の新型コロナウイルスの影響で、業界関係なくテレワークを導入する企業が増え、日本全体での働き方の変化が急速に進んでいます。
今後は、多様な企業ニーズによって、様々な業界でサテライトオフィスの進出検討が進むのではないでしょうか。
企業ニーズとサテライトオフィスのメリット
サテライトオフィスを開設する企業ニーズは様々ですが、大きく捉えると「新規ビジネス拠点の創出」「新たな働き方の創出」といったニーズの傾向があります。
ライフワークバランスと働き方改革、そしてワーケーション
まずサテライトオフィスを開設する企業ニーズとしてあげられるのが、働き方改革の一貫としてのオフィス環境の整備。
雄大な自然が間近にある環境にオフィスを構えることで、スタッフのライフワークバランスの向上を狙うことができます。アウトドアなどの趣味と仕事を両立することや、家族との時間確保など、生活を軸にした働き方を企業が従業員に提案することができるので、結果として、人材定着や従業員満足度の向上、そして人材確保につなげることもできます。
もちろん、最近話題のワーケーションの拠点としても活用することも可能。従業員のニーズに合わせた職場環境を整備することができます。
地域課題が、ビジネスチャンスになる。
次にあげられる企業ニーズとしては、新規事業開発や販路拡大を目指すビジネス拠点としてのサテライトオフィス活用。
地方では、少子高齢化や過疎化による様々な問題・課題が山積しています。企業が持つスキルやサービスを使って、それら地方課題の解決を目指すことは、企業側にとっては地域活性化という側面だけではなく、「新規商材の開発」や「販路拡大」といった新しいビジネスチャンスの機会を生むことになります。
さらに、生活サービスや人材の不足、自然災害、獣害被害など、地域によって様々な形で現れている課題に対し、解決策となるサービスを提供することで、同じような課題に悩む別の地域へ横展開することも可能です。
地域課題をビジネスの種と捉え、新たな企業価値の向上を目指す企業が、サテライトオフィスを検討しています。
サテライトオフィス企業事例
サテライトオフィス進出の成功事例は様々ありますが、以下に一部を紹介していきます。
【事例1】人材採用
・進出企業の業種:IT関連
・企業本社所在地(進出当時):東京都
・サテライトオフィス開設年:2012年
・開設地域:徳島県海部郡美波町
・企業ニーズ:人材採用
東京に本社を置くソフトウエア開発企業。人材採用難の打開策として、自然豊かでサーフィンのメッカである徳島県南部へサテライトオフィスを進出させました。「昼休みにサーフィンをしながらITの仕事をしよう!」と人材募集をかけたところ、東京や大阪など都市部から多くの若者の応募があり、見事、採用難を解決。
同時に、メディアにも頻繁に取り上げられるようになり、認知度も拡大。結果的に、業績向上にもつなげることができた事例です。
【事例2】新しい商材開発
・進出企業の業種:IT関連
・企業本社所在地(進出当時):東京都
・サテライトオフィス開設年:2016年
・開設地域:徳島県海部郡美波町
・企業ニーズ:商材開発
次に、地域課題から新しい自社商品開発を目指す企業事例を紹介します。
東京に本社を置くIT関連企業は、これまで培ってきた技術の利用方法を模索していたところ、サテライトオフィスを拠点にした地方でのソリューション開発に注目。南海トラフ大地震による津波への備えが急務である徳島県南部地域へサテライトオフィスを開設し、行政や地域の教育機関と連携した防災・減災への取り組みを開始しました。
独自の通信テクノロジーを生かし、町内に停電時にも使える無線機を設置して、防災情報の共有や、住民の位置情報を把握するシステムを開発し、町内の防災訓練と合わせた実証実験なども行われています。
この技術は同じく防災対策が必要な他地域からの注目も高く、まさに「地域課題をビジネスチャンス」にした好事例と言えるでしょう。
地方でサテライトオフィスを開設したいと思ったら、
サテライトオフィスを開設したい、興味があるけど、どうしたらいいかわからない。もう少し話を聞きたい。という方はぜひ、弊社サテライトオフィス誘致担当までご相談ください。
弊社は全国100を超える自治体様のサテライトオフィス誘致をお手伝いしています。定期的に自治体と企業をつなぐマッチングイベントも開催していますので(現在はオンラインがメインです)、少しでもご興味ある方は、まずは一度、イベントに参加してみてください。
地域課題をビジネスチャンスに。 地方から日本を元気に。
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