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執筆者の写真株式会社あわえ

サテライトオフィス進出インタビュー|株式会社ORENDA様


株式会社ORENDA様は、【クリエイティブ×テクノロジーで世界をおもしろく】をミッションに、映像・音声によるデジタルコンテンツの開発や、それらを応用したビジネスソリューション開発を行っています。 創業から7年目を迎え、新たにクリエイティブ人材育成を通して、社会課題解決にも取り組みもスタートされており、 この度あわえが支援する富山県魚津市にサテライトオフィス進出を果たされました。その背景や今後の展望について代表取締役の澁谷 陽史様にお話しをお聞きしました。


クリエイティブ制作のノウハウをビジネスソリューションへ

あわえ:ORENDA様の事業内容について、お聞かせいただけますでしょうか。


澁谷様:もともとは3Dの制作会社として設立されたのですが、制作を通じてゲームやアニメの技術を、メタバースといわれるような仮想現実世界の構築、音声合成技術、シミュレータ制作に転用させることにより、業種を超えてお客様の課題を解決させるビジネスソリューションとして昇華させ提供して参りました。クリエイティブ制作のみに留まらず、自社が持つ音声合成のAIなど、テクノロジーを駆使したソシューションによって、広く社会インフラに活用できる事業として推進しています。


あわえ:具体的にはどんな内容なのでしょうか?


澁谷様:例えば、ゲームエンジンの技術と3Dの制作ノウハウを用いて仮想空間上にリアルな情景を再現することはもちろんのこと、これらに画像認識技術を加えることによって、自動車メーカーによる自動運転・自動駐車のシミュレータ実証実験を支援しています。他には、声優さんの音声データを利用して、自社独自の音声合成TTSのシステムを作ったりしています。


あわえ:音声合成(TTS)では実際にどのような取り組みを行っているのですか?


澁谷様:コミュニケーションの中でも、業務会話はあらゆるシーン・専門性に対応するためのデータが膨大に必要なんです。その点、ORENDAにはグループ会社に声優事務所があるため、高精細な音素データを蓄積する事が可能となっています。品質の高い音素データを用いることで、音声合成(TTS)では感情豊かなコミュニケーションが実現でき、実際に「AIアバターレジ」という3Dキャラクターが合成音声を用いて発話しレジを代行するシステムを提供しています。 AIを活用すればよりスムーズなコミュニケーションが実現できると思います。実は対応していたのはロボットでした、というような世界になっていくんじゃないでしょうか。



今後も、人手不足や専門的なコミュニケーションを行う業域での課題解決ソリューションとして、新しい取り組みを行っていく予定です。今後のORENDAの音声合成を用いた事業にもご注目いただければと思います。


あわえ:ORENDA様の場合、クリエイティブ制作のノウハウで、映像もついてよりリアルな対応が可能なのですね。


澁谷様:はい。社内はもちろんですが映像業界の方や研究者、AIの技術者などとも連携しながらソリューションをつくっています。


あわえ:ORENDA様の技術との掛け算で、無限のソリューションが生み出せますね。


クリエイティブ業界のナレッジ化


あわえ:クリエイティブに関わる仕事だけでなく、人材育成・教育事業にも取り組まれているのですね?


澁谷様:はい。弊社ではLEVEL BOOSTというサービスで、主にゲーム・CG業界のクリエイターを目指す方たちのレベルアップから仕事紹介までをサポートしています。


あわえ:どんな背景ではじめられたのですか?


澁谷様:日本のものづくりって徒弟制の文化があると思うんです。隣にお弟子さんがいて、師匠のやり方を見て学ぶもの、というような。しかし、これだけデジタル化が進んでいて、本当に職人じゃないとできないのか?という疑問がありました。そこで、いわゆる「技術」が必要だと思われているRPG制作を、丁寧にマニュアル化したうえで、試しにアルバイトさん100名集めてトライしてみたんです。


あわえ:できちゃったんですね?

澁谷様:そうなんです。要は、知識や作業のノウハウをデータ化=ナレッジ化できれば、クリエイターのレベルアップにもつながりますし、企業にとっては採用候補にもなるのでWin-Winになると思いました。


あわえ:クリエイティブ業界で働くって、センスや熟練度が重要なイメージがあるので、LEVEL BOOSTの仕組みがあればクリエイティブ業界で働くことへのハードルも下げられそうですね。


澁谷様:都市部はクリエイティブ関連企業も多いので、転職も簡単にでき、雇用側からするとやっと育てたのに短期間で辞めてしまうということが多いんです。それが地方でもクリエイティブの仕事に就ける機会が増えれば、働く側もそれぞれの志向するライフスタイルを実現して、より豊かな人生を選べる社会をつくれると思っています。


魚津市でクリエイティブ人材育成


あわえ:LEVEL BOOSTのサービスをきっかけに、地方でのクリエイティブ人材の育成を視野に入れられたと思うのですが、なぜ、サテライトオフィス進出場所が魚津市だったのでしょうか?


澁谷様:エンターテイメント産業の支援を表明している地方自治体は非常に珍しいんです。魚津市様はゲームをはじめエンターテインメント産業のクリエイターを育て、地元に定着してほしいという意向をお持ちで、我々のビジネスやサービスが魚津市様のニーズとマッチすると思いました。


あわえ:そこに、事業展開の可能性を感じられたわけですね。


澁谷様:そうです。東京は魅力的な仕事はあるけど、慢性的な人手不足。地方は若者にとって魅力的な仕事を創出できていない。我々がその架け橋になれれば、日本の社会課題解決や地方創生にもつながると思い、進出を決意しました。





あわえ:実際に進出してみて、いかがでしょうか。


澁谷様:地方自治体と官民連携で取り組むことのありがたみを感じています。魚津市様の場合は、すでにサテライトオフィスが準備されていますし、市長をはじめ職員の方も非常に積極的に協力してくださいます。自前でオフィスを持つと、遠方の管理や運営はハードルが高いのでとても助かっています。


あわえ:魚津市様、積極的なのですね。


澁谷様:我々の取り組みを市内だけではなく、お隣の石川県にまで広めてくださったり、専門学校や会場に足を運んでくださったりと、みんなで盛り上げよう!と多大なご協力をいただいています。


あわえ:まさに、官民連携、包括連携ですね。

※2022年2月2日 株式会社ORENDAと魚津市はゲーム制作者育成などに関する包括連携協定を締結。 ▼株式会社ORENDA様、魚津市様との包括連携協定について https://awae.co.jp/column/6591/


今後の展望

あわえ:今後の展望をお聞かせいただけますでしょうか。


澁谷様:魚津市での取り組みを起点に、もっと広域での取り組みに広めていきたいですね。市と市が連携し合いつつ、共に競い合う環境ができれば、日本中にムーブメントを起こせると思います。競合が増えて取り組みが広がっていくほど、創業地点の魚津市がもっと盛り上がると考えています。

あわえ:まさにBOOSTですね。同じくクリエイター業界で地方と関わりたいと考えている皆さまにも、メッセージをお願いいたします。


澁谷様:ゲームメーカー様ともよく話題になるのですが、地方出身者の方々がクリエイターとして活躍されるケースは多いようです。それは地方ののびのびした環境で育ったからなのか、都市部に出てくるという覚悟を持ってこられているからなのか、実際に調べたわけではないのですがそういう傾向があることは事実です。そしてテレワークが進む中で地方志向の方も増えていくと思います。クリエイティブ業界の技術を地方に提供することで、地方創生にもつながり、自分たちの業界の人材創出にもつながります。積極的な地方自治体様のサポートは非常に強力なので、ぜひ、一緒にチャレンジしてほしいと思います。

澁谷社長、お忙しいところインタビューへご協力くださり誠にありがとうございました。 マッチングイベントに興味のある企業・自治体の方はこちら 本件に関するお問い合わせ:https://awae.co.jp/contact/

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