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  • 執筆者の写真株式会社あわえ

【特別対談】前総務副大臣・徳島高知合区選挙区 参議院議員 中西 祐介と語る|地方の知恵を国政へ


右)参議院議員 中西 祐介 様、左)あわえ代表吉田


地方創生や地域づくりにおいて無数の手段と情報が錯綜する中、特定の商品や特定の事業者・自治体のためだけではなく、社会にとって役立つ情報を社会提言すべく、政治や教育など様々なお立場の方との対談をお届けします。


初代地方創生担当大臣 衆議院議員の石破 茂 様、明治大学の小田切 徳美教授、デジタル庁シェアリングエコノミー伝道師の石山 アンジュ様との対談に続き、今回はあわえ同様、徳島県の地域づくりに関わりつつ日本の活性化に参議院議員として活躍されている中西 祐介 様との対談です。あわえ代表の吉田と同郷であり、立場は違えど徳島そして全国の地域振興に関わる中西 様に官民連携のポイントや地域づくりの視座や今後の展望をお聞きし、これからの取り組みのヒントを見つけたいと思います。


立場を超えた同郷の出会い



吉田「初めてお会いしたのは、高校のOB会でしたよね。」


中西様「そうでしたね。当時“半X半IT”という時代に先駆けた新しい生き方・働き方について母校のOB会でスピーチしていただきました。非常に魅力的でなんと熱量の高い人なんだ、というのが第一印象です。それがきっかけで、今では親友を越えて家族のような関係になりましたね。」


吉田「私は高校の後輩が30才の若さで当選し、国政で活躍されているのは知っていて、いつかお会いしたいなぁと思う半面怖さもあって。その若さで政治家になられているのは凄すぎて、話しづらいのではないだろうか・・・と思っていました。しかし、お会いすると優秀なのはもちろん、非常に親しみやすい方でした。」


中西 様「仕事柄多くの人と出会いますが、吉田さんとの仲が深まったのには、まずこの地元徳島への地域愛があることと同時に、日本全体に対しても同様の視座を持っていたからです。地域愛や家族愛って誰しもあると思うのですが、その愛を特定地域や範囲だけではなく、同時に日本全体に対しても持っている。だからこそ立場は違えど、同じ視点で話ができ、理念や行動の重なることが多いのだと思います。部分最適だけではなく、全体最適も常に考え、効果を最大化させるということを実践している人なので、尊敬をしていますし、協働関係で生み出せるものも多いです。」


吉田「私も同じ感覚で、中西さんは地元の徳島・高知も、日本全体もその両方を愛し、常に両方の視点で活動されている政治家なので、とても波長が合うんですよ。」


地方創生先進県 徳島の強み


中西 様「地方創生という言葉が出始めてから、なんとなく、 それぞれの地方が良くなれば積み上がって全体が良くなるぞという発想がある気がしています。いざやってみると、人口減少対策や企業誘致など、お互い隣り合った自治体で競争になってしまったり。それは本当に、日本全体を俯瞰して見た時に良いことなのか、というのは検証しなきゃいけない論点だと思います。


吉田「経済でも同じことが言えると思いますが、それぞれの企業努力の結果だけで、業界や日本経済がうまくいくわけではないですよね。時に協力したり、新しく業界を創っていったり。地方創生でいうと、地方と都市は決して対立関係ではないですし、協力し合う関係が必要です。中西先生のお立場からすると、高知の人口が増えたけど、徳島の人口が減ってしまった・・・では意味がないですよね。地方と都市でいくと、徳島が元気になったけど、結果首都圏の活気が落ちてしまったら、それは日本にとっていい地方創生ではない。地域間の智慧の競争や切磋琢磨は必要ですが、弱肉強食の構造をつくらないことが重要ではないでしょうか。」


中西 様「徳島、高知と2県で活動していると、それぞれの県、そしてそれぞれの市町村ごとに独自の強みがあるのが見えて来たと同時に、連携すれば相乗効果を生み出せることが多いのではと思うようになりました。例えば観光。徳島県美波町の町おこしがすごいらしい。いざ東京から見に行こうとすると、きっと通過するのは徳島県だけでしょう。しかし、これが高知県と連携して観光誘致をしていたらどうでしょうか?入りは徳島県かもしれないが、帰りは高知空港から帰ろうというルートがあってもいいと思うんです。これが今までは個々の頑張りだったので、ホームページにしても観光案内にしても、個別最適になってしまっています。自分たちをもっと違う視座で客観視すると、そんな隣県同士での連携ができて、個々の戦闘力が掛け算になって強まると思うんですよね。」


吉田「地域間の連携はすべきですけど、本当にできるのか?というとやはり中西先生のように地域間の架け橋となる人が必要だと思います。地域間の連携が必要なことは頭ではわかっていても、このブリッジという役割を担う人が非常に少ないですよね。」


中西 様「そうですね。これは、次の時代を見据えて、いかに次の時代へ託すかを考えていないと、なかなかできることではないです。しかし、徳島はすごい。徳島にはそういうプレーヤーが吉田さんを始め次々生まれていますよね。なぜですか?(笑」


吉田「これは本当によく聞かれます(笑。一つは、厳しい環境にあったことです。例えば美波町も神山町も、過去の延長の産業ややり方では、地域の存続が危ぶまれる、勝ち筋が見えない厳しい状況だったので危機感があった。それと同時に変な話ですが、阿波踊りにも由来するのかもしれませんが、ベースは楽天的なんですよ。まぁ最後は踊っちゃえ!みたいなですね(笑。ただ見ている、現状に甘んじているより、やってみたらええやん、みたいなポジティブさが徳島県民の強みとしてあるんじゃないでしょうか。」


中西 様「これだけベンチャー企業が生まれて、世界的企業が育つ土壌があり、地方創生でも世界からも注目を受けている土地柄は、間違いなく徳島の強みですよね。」


複雑な課題に新たな連携で取り組む


吉田「最近の社会問題は、SDGsのマークのように、それぞれが連鎖しあい、輪になっていて繋がっていて、どれかひとつだけ解いても解けない問題だらけになっているように感じます。複数同時に解きに行かないと、解けないような問題が増えているんじゃないかなと。」


中西 様「私は金融再編の時代に社会人になりました。 経済のイロハから勉強したいと思って金融機関に入り銀行員になりました。しかし、金融機関の財務体質が悪くなると民間企業の皆さんに貸し付けてるお金の回収や貸付条件を厳しくせざるを得ません。金融機関が苦しい状況にあるということは経済全体の問題であり、 経済全体を動かすのは政治の問題だということを、金融の現場で僕は本当に痛感しました。お金が回らなくなった経営者の悲しい現実も目の当たりにしました。だからこそ、一銀行員としての成功というよりはもっと広い意味で、それも包含した役割を一生をかけて担うことが、日本そして社会全体を考えた時に、自分の役割であると思ったんです。要は政治と経済両面が良くならないと国は良くならないと体感しました。」


吉田「なるほど。どうしたらそういう視座を持つことができるようになれますかね?」


中西 様「僕はただ、自分が上手くなるとか上手くできることよりも、全体を考えた上で自分の役割を果たすことに徹した方が効果を最大化できると思っています。むしろその方が最短距離を行く道なんじゃないかって。地方創生も同様に、一見手間をかけすぎているように見えても、官民連携で一緒に社会課題解決に取り組んでいくことを、丁寧に重ねていけるかだと思うんです。地域づくりにしても、人財育成にしても、子育て支援にしても、民間企業に関わってもらう必要性は高まっています。この政策と民間企業がうまくかみ合っていくと、もっと日本の可能性、そして地方の可能性は広がると思います。」


吉田「新しい政治と民間の関係を創っていかないといけませんね。昔の人がよく連想する政治と民間企業の癒着のような頼り合う関係ではなく、お互いがお互いの強みを活かし、応援し合う関係に。」


中西 様「実は8年前から徳島創生塾という徳島にゆかりのある人々の交流の場づくりをしています。徳島出身の民間企業やスポーツ界の方々などはもちろん、出身ではなくとも徳島県のことを応援したいという人にも参加してもらっています。従来であれば特定の業界の声をまとめた政策要望や予算要望をあげるような流れになるのですが、ここでは徳島愛でつながる人たちが、新しいビジネスをはじめたり、政策提言までしたりと自然といい流れになっているんです。そういうご縁つなぎも、私たち政治家の大切な役割だなと思いますね。」


地方から世界へ 四国アイランド


吉田「1票の格差という観点から見れば、合区の選挙区は人口減少に伴い今後増えていくのでしょう。しかし、それではどうしても地方の議員数が減り、地方の声が届かなくならないでしょうか。」


中西 様「そうですね、多少格差があったり定数が増えても私個人的には、各県各エリア代表はそれぞれ選ばれるべきだと思っています。コロナ禍で混乱した状況であっても、日本はきちんと都道府県、市町村ごとに予算や制度、対応も行政単位で動いていましたし。そのプロセスに準ずるべきではないかなと。一方で、徳島県だけの参議院議員をやっていて、近隣県のことをほとんど知らないというのが従来だったわけなので、合区をきっかけにもう少し広い視野で、四国全体、つまりエリア全体を考えていく努力は議員本人がしていかなくてはいけないと思います。」


吉田「そうすると、視点を上げるためには、都市と地方の両方を知る世代が必要ですよね。例えばサテライトオフィスで東京でも徳島でも仕事ができる大人を増やしたり、デュアルスクールのように地方と都市の両方の学校に通っていますという子を増やしたりすることが、地方と都市の両方を愛する世代の育成につながるのではないでしょうか。」


中西 様「そういう良いとこどりを、政策面で実現させるというのはこの仕事のやりがいの一つですね。例えば徳島や高知でしか学べないこと、自然環境も含めてあるんですよね。東京の子たちが高知で学んだり、また逆もできるって、デュアルスクールが地方と都市の架け橋となる人財育成につながる可能性は非常に大きいですし、今の時代そして国策ともマッチしたいい制度だなと思います。いずれオンライン手続きだけで学びたい場所や学校で学べる、それが自分で選択できる時代になってほしいですね。


人口が減っているからこそ、なおさらインフラを整えるべきだと僕は思います。トラックの運転手が少なくなるのであれば、鉄道の整備も必要でしょうし、目に見えないデジタルインフラはもっと進めないといけません。インフラ整備を通信分野でも進めていくことが、社会課題解決を効率的に進める一番のポイントであり、将来に対する投資だと思います。」


吉田「前副総務大臣の時も、その辺りが中西さんのミッションだったんですか?」


中西 様「当時はデジタルインフラ整備計画をつくったり、beyound 5Gの国際規格をつくるための国際電気通信連合(ITU)のトップを日本がとるための国際選挙をやったりしていました。デジタルインフラ整備に欠かせない光ファイバーは、通常ひとつの穴しかないんですが、日本の技術ではなんと18個もの穴を通して大容量のデータ送付が可能なんです。日本がそういう技術を先導し、省エネでかつ通信が早くなるというのは、国土づくりにとっても重要な話でした。」


吉田「世の中の新聞やニュースを見ていると、日本は厳しいな・・・と思っちゃうんですが、中西さんの話を聞くとわくわくしますね。」


中西 様「正しく物事を恐れるのは非常に大事なことです。単なる楽観論悲観論ではなく、問題を正しく認知して、それに対しどうアプローチしていくかを建設的に考えることです。しかし、日本は結構悲観か楽観どちらかに偏って流れてしまうことが多い気がしています。それは僕らの世代の課題として、日本の希望をもっと建設的に正しくアピールしていかないといけないですね。」


吉田「四国の希望も、まだまだありますかね。」


中西 様「 もちろん!四国アイランドの可能性をもっと世界で知られるようになってほしいです。大きさだけで見たら、台湾とそんなに変わらない。しかし、これだけの祭りがある地域はないです。多様な気候も文化も、素晴らしいものがある。徳島から東京を経て世界に出るのではなく、世界に注目される四国というものをどうやって創ろうかというのはいつも考えています。


日本は、世界でこれだけ尊敬をされる、希少性があるという意味では世界随一だと思います。議員活動で30数カ国以上の国に行きましたが、日本ほど歴史や文化に重きを置く国はないと思うんです。徳島の阿波おどりもそうですが、これは国が存続をしているから実現するわけで、例えば戦争がある、革命がある、いつ自分たちの命が危ぶまれるかわからない、そういう国では文化は育ちにくい。長年築いてきた平和の中で生み出された文化を、より発展させ、 継承していかなくてはいけないと思います。」


吉田「私たちだけではなく、日本人全体にそういう発想が必要だと思います。この日本の希少性、ユニークさ故に、自嘲してしまう人もいると思うんですが、日本のこの価値は決して恥じることのないものです。世界に対して、それをどんどん伝えられるように、プライドをもっていたいという思いはありますね。徳島もそうだと思うんです。徳島だって地元の人に聞くと、『徳島には何もないよ』、とかなるんですけど、私からしたら最高に素晴らしい場所だと思っています。 それこそ、メイドイン徳島のものを、徳島の人だけが食べるんじゃなくて、僕たち一生懸命頑張って苦労もして作ったけど是非食べて見てくださいって自信を持ってできるように、日本リードをできたらいいなと。 そこは徳島も日本も同じですね。」


それぞれへのエール


吉田「まず、私から中西さんへの今後の期待を。地域のことを隅から隅まで見ておられる中西さんにこそ、小さな声に耳は傾けつつも、ときに小さな声に恐れず大胆な施策を打っていっていただきたいです。私たちも、民間の立場で、”その手がありましたか!”っていうのを次々と創り、連携して国全体に広げることができると、非常にありがたいなと 思っております。」


中西 様「ありがとうございます、頑張ります。“一燈照隅万燈照国”という言葉がありますけど、この熱い熱量の吉田イズムを次の世代に向かって炎を焚きつけていただきたいです。あわえさんが徳島県のみならず、全国300に迫る自治体の支援をなさっているのが正にそういうことだと思いますが、これからもどんどん吉田イズムを広げる展開を期待しています。」


中西 様、貴重な対談の機会をありがとうございました。

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