10年地域活性化に取り組んできたあわえ。地域で実際取り組んできた私たちだからこそ、地域に必要なことへの自負もあれば、まだまだ力不足だ、という両方の実感があります。
今回は、地方や地域と関わることが自分の人生の豊かさや幸福につながる、ということを都市部の方々に知ってもらうべく、東京からはじめる地方創生シンポジウムを開催しました。
特別ゲストの皆さまは普段日本中飛び回っている方々が多く、超ご多忙の中登壇いただき、改めて感謝申し上げます。
価値観の変容
冒頭の特別講演では、石山 アンジュさんより、今までの社会は人口増加、大量生産・大量消費、都市集中型だったため、より大きなものに依存したり、物を所有しているお金を持っていることがわかりやすいステータスであったこと。しかし、人口減少の今、拡大成長よりも持続可能か、共有したり循環できるか、リスクを分散させることに重きが置かれていることをお伝えいただきました。(詳しくはアンジュさんの書籍「多拠点ライフ」も参照ください)
震災後、若者の地方志向が高まっているのも、そのような価値観変化が背景にあるのでしょう。ということは、地方や地域と関わっている生き方こそ、これからの最先端になっていくのではないでしょうか。
地方のためではなく、自分のために地方と関わる
地方創生、地域活性化というと、「地域のために」せねばならないと思ってしまいがちですが、それだけで長続きさせるのは難しい。だからこそ、自分のために地方や地域と関わってほしいと思います。島田 由香さんから、大変面白いお話を聞けました。ウェルビーイングで重要な要素が1次産業ワーケーションに詰まっているというのです。いい景色を見ることや、農作業を通じて感謝されたり、成果がわかりやすく目で認知できることなど、様々あるそうですが、一番重要なのはPERMA理論の「R」Relationship、人間関係である、と。社会人となった我々大人が急に友だちつくろう!新しい人間関係をつくろう!というのはちょっとハードルが高いですよね。1次産業と絡めたワーケーションは、とても面白そう・・・!
ちょっとハードル高いなぁ・・・という人のために。地方や地域の人々と関わるきっかけをサービスとして提供してくれているのが、おてつたび、Yosomon!などのサービスです。旅先で仕事を手伝ったり、都市部にいながらリモートで地方の案件に関われたりします。富士通ジャパンでは、地域活性化起業人という制度を使って、なんと社員が地方の役場に出向する機会をつくってくれています。富士通ジャパンの山口さまは、嬬恋村に家族で引っ越すとなったとき奥さんに泣かれ、2年の任期を終えて東京に帰るという時も泣かれたというエピソードを披露してくれました。これぞ地方での人間関係の濃さを物語っています。何かうれしいことがあると、報告したくなる、会いに行きたくなる、仕事を通じてそのようなつながりを創れたら、豊かな人生のはじまりです。
子どもの頃からウェルビーイングの土台を
子どもの頃から全国各地に、人とのつながりを持てたらもっと良いですよね。
デュアルスクール(多地域就学制度:短期間、居住地以外の学校に通える制度)を通じて驚くのは、子どもたちが友だちになる驚異的スピードです。高畑 拓弥さんによれば、日本の子どもたちの課題は居場所の数、よりどころにも大きく関係している。子どもたちが生きやすい環境をつくっていくのは私たち大人のつとめでなかろうか。そしてデュアルスクールやサテライトスクールは大人も一緒に行くので、一緒に新しい場所での生活を乗り越えたという共有体験と刺激があります。行先で、違う大人が関われば、その子どもへの光の宛て方も違うんですよね、当たり前ですが。これは、核家族で都市部に住むご家族にこそ、体感して欲しいと思います。親だけではなく、多様な人々のいろんな刺激にさらされることも必要だな、と思うと子育ての肩の荷も多少やわらぎます。子育て世代の心理的な負担が緩和されることで、持続可能な未来のための次世代育成にもつながっていくのではないでしょうか。
★地方と関わる一歩を踏み出したい!方はぜひ下記をご参照ください★
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